会長・病院長挨拶/理念
会長あいさつ・理念

新型コロナウイルス感染症は、2020年初頭から現在まで2年10か月に及び続いています。感染者の増減を繰り返し、今回一番感染者数が多くなった第7波もようやく減少傾向の兆しを見せています。しかし、これから寒い季節となり日本の裏側の国であるオーストラリアでは今年7月から8月にかけて新型コロナウイルス感染症とともに従来のインフルエンザウイルスの同時感染症が増加したとのことで、日本でもコロナウイルスに対する新たなオミクロン株に効果のあるワクチン接種とともにインフルエンザワクチンの同時接種がすすめられています。新型コロナウイルス感染症については発症当時に比べて、様々なことが分かってきて最初の頃のような未知の感染症に対する恐怖感は薄れてきましたが、今後もウイルスの変異を繰り返しながら季節性の感染症となっていく可能性が高いのではないかと考えられています。
さてここで現在の高齢化社会に目をやってみると、10数年前から言われてきた団塊の世代の方々がすべて75歳以上となる2025年がもう間近となってきており、現在も高齢化率は年々増加し、コロナ禍の中で医療機関はコロナ対応に追われ気づかれにくいことですが、日本人の疾病構造や患者さんの医療機関への受療動向もコロナ前とはずいぶん変わってきています。国はコロナ禍の中でも高齢社会に対する医療提供体制の 構築をある部分では粛々と進めてはいますが、やはり大事なことは医療関係者だけで はなく、住民の方々も社会の変化を理解し、限られた医療資源を有効に活用する医療 提供体制の在り方を共に考えていかねばならない時に来ていると感じます。コロナ禍の中で起こった救急搬送困難事例の増加や、発熱患者さんがすぐに受診できなかった状況はこれからの高齢化社会の中でも問題となってきます。嶋田病院も住民の方々が 住み慣れた場所で人生の最後までを迎えられるよう、今までの「治す医療」だけでなく、「治し支える医療」に力を入れていくつもりです。
会長
島田 昇二郎
病院長あいさつ・理念

皆様は年末年始をどのように過ごされたでしょうか。
嶋田病院では、新型コロナウイルス感染症の流行期と重なったこの年末年始は特別な体制で、12月31日から1月3日までの4日間に約320人の感染疑いの患者さんの診察を行いました。同時に救急車41台を受け入れ救急の態勢も維持しました。60年前に当院を創設された嶋田國重先生は「病気に盆も正月もない」と言われましたが、まさに暮れもお正月もなく地域の救急医療を支えてくれたスタッフに深く感謝を申し上げます。
2025年問題の渦中に起きているこの感染症の流行はいずれかの形で定常化すると考えられ、これからは高齢者の人口ピークと労働人口の
減少が深刻となる2040年をどのような医療体制で迎えるかを考える時期になってきました。そのためにも地域医療構想と地域包括ケアシステムの整備が進められています。地域医療構想においては、当院は小郡三井地区における急性期病院としての役割を担う計画を提出しています。地域包括ケアシステムでは、地域医療支援病院の立場で紹介患者への医療提供や医療機器等の共同利用、地域医療機関への支援を行いつつ、在宅療養支援病院の立場として可能な限り住み慣れた地域で自立した日常生活を営むことができるよう、医療と看護と介護、住まいや生活の支援を行う病院の役割を担っています。
当院はコロナ以前から地域の医療機関との連携を密にとり、当院で急性期治療のめどがついた患者さんを紹介させていただき早期に転院や在宅で受けてもらっていました。感染症流行下においては、コロナの患者さんを増悪傾向がないと判断した時点で、療養期間内であっても転院や退院を受けていただいています。この連携で当院の感染病床をより急性で重症の感染患者さんに活用できるようになり、多くの患者さんを治療することができました。これは嶋田病院だけでできることではなく、今までの連携を基礎とした地域の医療機関や先生方のご理解とご協力があってのことだと、大変ありがたく思っています。
一つの医療機関、一つの法人でやれることには限界があります。地域の医療機関同士がそれぞれの立場で地域に必要とされることを、
個々の多様性を大切にして機能を補完しあって共生することで、より柔軟な医療体制をとることができると考えます。
2023年はどのような年になるでしょうか。地域の皆様が安心して生活ができて、もし病気になっても大丈夫と思っていただける病院となれるよう、より精進してまいります。
最後になりましたが、皆様にとってよりよい一年になりますよう祈念致します。
今年もよろしくお願いいたします。
病院長
西村 一宣
理念
1地域住民の方々が安心して暮らしていけるよう、広域の医療機関と連携し、質の高い医療を提供することにより社会貢献していきます。
2職員が物心両面において満足感と幸福感を持てる病院をめざします。
基本方針
- 救急医療
- 24時間、365日、いつでも患者さんが受診できる体制を作っていきます。
- 住民の健康管理
- 地域住民の方々に情報を提供し、がん及び生活習慣病の早期発見・早期治療で 地域住民の方々の健康管理を支援していきます。
- 地域連携
- 医療機関をはじめ他の機関との連携をとり、協力し合い、 患者さんにとって、よりよい医療を提供できる体制を作っていきます
- 自己研鑽
- 医療従事者としての自覚と誇りをもち常に医療水準の維持向上に努めます。
ロゴマーク

右側は嶋田病院のSをモチ-フに
左側にホスピタリティの意味を込めてハ-トの形を添えています
全体で羽ばたく翼をイメ-ジしています