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放射線被ばくについて

TOPICS2022.12.14


放射線部では患者さんが安心して検査を受けられるように、細心の注意を払いながら検査を行っています。

2011年の東日本大震災に伴う福島第一原子力発電事故により、放射線被ばくに対する皆さまの関心が高まっています。そのため、患者さんから頂いた質問の中で多く聞かれた質問を掲載しています。

Q1.被ばく量はどのくらいですか?
撮影法によって異なりますが、放射線を当てる範囲は必要な部分だけに絞っています。
主な検査の線量の目安は次の通りです。(mSv:被ばく線量の単位)

胸部レントゲン検査 : 0.1mSv
CT検査 : 下記参照ください
胃透視検査(バリウム検査) : 15mSv
マンモグラフィ検査 : 0.05mSv程度



当院で行う検査の被ばく線量は、国際放射線防護委員会が定める診断参考レベルと比較を行い、常に病気の診断に必要な最小限の放射線量で検査が行えるよう最適化を行っております。

Q2.何回もレントゲンを撮っても大丈夫ですか?
医療被ばくには、線量限度が法律で定められていないため、撮影回数に制限はありません。診断に必要な情報を得るために、様々な方向から撮影を行うことがありますが、これは、撮影による被ばくの不利益よりも、撮影で得られる利益が上回る場合のみ行います。
これを「正当化」といいます。
レントゲンだけでなく、CTなど他の検査を併用することもあります。検査内容によって被ばくする量が異なりますが、健康を害する被ばく線量には達することはありませんので、安心して検査を受けられてください。被ばくを恐れて検査を受けずに、疾病や怪我に対して適切な処置を受けられない方が問題です。不安に思うことや分からないことがありましたら、医師や放射線技師にお尋ねください。

Q3.被ばくすると、がんになりますか?
一定以上の放射線を浴びると、DNAが損傷しますが、小さな傷であれば正常に修復します。この修復が間に合わないほど大量の被ばくを受けると白血病や脱毛など、身体に影響がでることが分かっています。原発事故などでは、1度に相当な量の被ばくをしてしまったことでこのような影響が報告されています。これを「確定的影響」といいます。
しかし、検査で受ける被ばく線量は、事故等で見聞きする被ばく線量とは全く異なるものです。検査で受ける被ばく量は、身体に影響がでる線量には及びませんし、がんが発生したという具体的な報告はありません。レントゲンやCTなどの検査では、「確定的影響」は起こりえません。安心して検査を受けられてください。

Q4.放射線は体内に蓄積されますか?
放射線は、身体を通り抜けていくので体内に残ることはありません。骨や皮膚の組織によって、放射線の通り抜けられる量が異なります。
胸部のレントゲンを例に挙げています。



放射線検査ではこの差を利用して画像化しています。

Q5 妊娠中です。検査を受けても良いのでしょうか?
腹部に直接、一度に100mSvを超える被ばくをすると胎児に影響がでるとされています。検査による被ばく線量は、この線量には到底及びません。通常の検査で胎児が被ばくしたとしても、身体に影響しない、ごくわずかな線量です。また、撮影部位に応じて腹部に放射線防護衣を装着させていただきます。
ただし影響がないとはいえ、妊娠していても積極的に検査を受けてくださいという訳ではありません。症状によっては被ばくがない超音波検査などに変更できる場合もありますので、妊娠している場合は必ず検査前に医師または放射線技師へお申し出ください。

Q6 将来、不妊になりませんか?
医療被ばくは不妊の原因にはなりません。
放射線被ばくによる不妊には、しきい線量(影響が出る最低被ばく線量)があります。精巣や卵巣への被ばくがこのしきい値を超えると、不妊の原因となることがありますが、検査による被ばくではこのしきい線量には及びませんので、安心していただいて大丈夫です。



Q7.授乳中です。検査を受けても大丈夫ですか?
被ばくによって母乳の成分が変化することや、お母さまの身体やお子さまの身体に変化が起こることはありません。安心して検査を受けられてください。
被ばくとは直接関係はありませんが、授乳中にマンモグラフィを受ける場合、撮影方法や撮影画像に影響がでることがあります。当院のマンモグラフィ検査はすべて女性技師が担当しますので、お気軽に担当スタッフまでお申し出ください。

Q8.こどもも検査して大丈夫ですか?
体格に合わせて最適な放射線量で検査しているので、大丈夫です。
こどもは、大人より放射線感受性が高い(放射線による身体への影響を受けやすい)と言われておりますが、大人よりも身体が小さいので、使用する放射線も少なくなります。撮影の際、放射線技師が、体格に合わせて放射線の量を変えており、診断できる画質を担保しつつ、可能な限り少ない被ばく線量で検査できるように工夫して検査を行っております。これを「最適化」といいます。


Q9.こどもの検査に一緒に入りましたが、問題ありませんか?
検査中は、身体を動かさないようにしていただく必要があります。
しかし、静止が困難な場合は、ご家族さまに放射線防護衣を着用していただき、お手伝いをお願いすることがあります。放射線の量、放射線を当てる範囲ともに最小限に設定しておりますので、撮影する部分以外に直接放射線は当たりません。そのため一緒に検査室に入っていただいても身体に影響がでるようなことはありません。ご安心ください。また、放射線発生装置から離れることで被ばくを大幅に減らすことができます。
検査室に入って頂くときは、放射線技師がご案内しますので、指示に従っていただきますようお願いいたします。


Q10.将来生まれるこどもに障害は出ませんか?
放射線による遺伝子への異常は、生殖腺に対してある時期に一定以上の放射線被ばくを受けることで起こることが報告されています。生殖腺以外の部位への被ばくで、遺伝子に影響がでたという報告はありません。
この一定以上の被ばく線量のことを「しきい値」といいます。下記の表の通り、通常の検査ではこのしきい値に達することはありません。生殖腺が範囲に含まれる検査は、腹部や骨盤部の検査のとき、これらの検査による被ばく線量では、胎児への影響がでる線量には及びませんのでご安心ください。また、検査部位によって、生殖腺の防護も行っています。(防護によって観察したい部分が隠れてしまう場合は除きます。)
さらに、疫学調査でも放射線被ばくによる遺伝的影響はほとんど問題がないことが分かっています。



Q11.CTとMRIのちがいは?
どちらも、身体の断面を観察できますが、撮影のしくみが異なります。CTは放射線、MRIは磁気を使用しており、それぞれ、画像化する成分(部位)の得意分野が違います。
CTは脳出血や肺炎など、MRIは早期脳梗塞、靱帯などがそれぞれの得意分野の代表例です。(他にもたくさんあります!) 目的に合わせて医師が必要な検査を判断します。疾患によっては、CTとMRIを併用することもあります。


Q12.MRI検査をすると被ばくしますか?
MRIはレントゲンやCTと異なり、放射線を使いませんので、被ばくがありません。
MRIは強力な磁場を発生させ、その力を利用し撮影しているため、検査室内は機器・金属の持ち込みが厳禁です。装置や患者さまの安全確保のために、検査前は十分な問診をさせていただきます。誤って検査室内に金属を持ち込んでしまうと、吸着や火傷などの重大な事故につながりかねませんので、検査前のチェックと検査着への更衣にご協力をお願いいたします。


その他 検査の際、不安に思うことや分からないことがありましたら、遠慮無く、医師や放射線技師へお尋ねください。


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